常連に愛されるレストランバーコンパーレ 松井博樹さん
帰り道を急ぐサラリーマンや夜の街に繰り出す若者。
そんな人々の雑踏をすり抜けて、愛知県名古屋市内のあるお店へ向かいました。
今日訪れたのはレストランバー コンパーレ。
ビルの5階にあり、常連さんが足しげく通う「隠れ家的雰囲気」のおしゃれなイタリアンのレストランバーです。
店内はダウンライトに包まれて、優しい落ち着いた印象。
レストランバー コンパーレのオーナーシェフである松井博樹さんにお話しを伺ってきました。
知る人ぞ知るおいしいイタリアンレストランバー
──本日はよろしくお願いします。ダウンライトがものすごく優しい雰囲気のお店ですね。
松井です、よろしくお願いします。
レストランバー、として営業していますので、ワイワイと騒がしい感じとは少し違いますね。どちらかと言えば落ち着いた雰囲気で、おいしい料理とお酒を楽しんでいただけたら、と思います。
──ビルの5階にあるお店ということで、”隠れ家”的な雰囲気を感じます。
ビルの5階という立地なので、初めてのお客様からしたらご来店に勇気が必要かもしれませんね。やっぱり入りにくい雰囲気を感じられる方も多いと思います。
ですので、新規のお客さんがたくさん入る感じではないんですよね。
ただありがたいことに、常連さんからの紹介や口コミで、コンパーレを知っていただいています。
本当にお客さんに楽しい時間を過ごしてほしい、というオーナーの想いと人柄に惹かれて、自然と常連さんが通ってくれているんだな、と感じます。
常連さんに愛されるコンパーレ お客さんはメニューを見ない!?
──実はこちらに通うお客さんはお料理のメニューをあまり見ないと伺いました。松井さんのおまかせで作ることが多いんでしょうか。
そうなんです(笑)
メニューを見る人は全体の3割くらいでしょうか。残りのお客様は常連さんが多いのもあって、仕入れてきた食材の中からお話をしながら提供させていただく機会が多いんですよね。
常連さんともなれば、好みや好きなお酒が分かりますので
「今日は○○○が入ってますが、こんなのお作りしましょうか?」
といった具合ですね。
なので常連さんは、カウンターに座られる方が多いんです。
──お客さんと話ながら料理を提供しているんですね。
そうですね。
お客さんの話を聞いて、お顔を見て、お料理を提供することが多いです。もちろんそれは常連さんだけでなく、お話させていただけるお客様ならどなたでも。
──仕入れの状況によって、お客さんと話をしながら好みを見ぬいてしまうんですね!ちなみにおすすめのメニューはございますか?
季節のものや、仕入れによって変わってしまうメニューはお出しできないことも多いので、基本メニューの中では「カルボナーラ」のリピート率がものすごく高いですね。
ただ皆さんがイメージするカルボナーラって、こってりしたタイプじゃありませんか?
うちのカルボナーラは全然違うんですよ。味はカルボナーラなんですが、見た目がスープっぽい感じと言えばいいんですかね。
カルボナーラがお好きな方は、ぜひコンパーレのカルボナーラをご賞味ください。
しかしこちらのコンパーレでは冷凍の食材は使わず、オーナーの目で厳選した食材だけを仕入れて料理を提供しています。
そんなこだわりの食材を使って、お任せでも料理を作ってくれます。
リピート率が非常に高いと言われる「カルボナーラ」も、ぜひ一度は食べてみたい逸品です。
スコッチウイスキーが大好きな松井さん
──食材や好みからお料理を提供してくれるのは、お客さんにとっても「今日は何があるんだろう?」ってワクワクできる瞬間かもしれませんね。お酒の方もこだわりがあるんでしょうか。
お酒はビールやワイン、カクテル、焼酎など一通りのものが揃っています。ただ、僕はスコッチウイスキーが大好きなので、ウイスキーにはちょっとこだわりがあります。
──そうなんですね。ウイスキーが好きなお客さんとかもいらっしゃいますか?
ウイスキーが好きなお客さんもいらっしゃいます。ウイスキーが好きな者同士、ついついお客さんとウイスキーの話題で話し込んでしまうこともあります(笑)
カウンターではオーナーを囲む常連の姿が
──本当にカウンターに座られる方が多いんですね。
そうですよね。
お客さんの年代も僕と同年代(50代前後の方)くらいの方が多く足を運んでくださいます。
うちはSNSもほとんど動いていませんし、さらにビルの5階でちょっと入りづらい雰囲気もあるんです。でもこうしてお客さんが新しい方を連れてご来店いただいたり、一人でもふらりとお店に立ち寄っていただけたりしています。
本当にいつもコンパーレの料理とお酒を楽しみにしてくださっている常連さんはじめ、お客さんには感謝の気持ちでいっぱいです。
オーナーの松井さんのお話を伺っていると、お客さんとのコミュニケーションを一番に考えているのを強く感じることができました。
飲食店はただ旨いものを作るだけでなく、お店の雰囲気やスタッフの気遣いなども全て含めてがそのお店の”味”となります。
レストランバー コンパーレの料理やお酒に、またオーナーの松井さんの人柄に惹かれて、自然とお客さんが松井さんの周りに集まっています。
静かな時間に身を任せ、ロックグラスを傾けながら雰囲気を楽しめるお店です。
ゆっくりと流れる時間とお酒を楽しむオトナの空間 コンパーレ
──松井さん、本日はありがとうございました。
こちらこそありがとうございました。
季節の食材を使った料理、色々なお酒をご用意して、皆様のご来店を心待ちにしております。
うちのお店は常連さんが多いのですが、初めていらっしゃるお客様でももちろんオールウェルカムです。
おひとり様でも数人のグループ様でも、歓迎いたしますよ。
レストランバーコンパーレは静かに食事やお酒、会話を楽しみたい落ち着いたオトナの空間。
松井さんにお話を伺っていると、時折見せてくれる優しい笑顔に、ついついカウンターへ座りたくなってしまう気持ちが分かります。
ロックグラスの氷が”カラン”と響く、しっとりとしたシックな雰囲気がよく似合うレストランバー コンパーレ。
名古屋にお立ち寄りの際には、ぜひコンパーレのお料理とお酒を味わってみてはいかがでしょうか。
店舗情報
店 名:レストランバー コンパーレ
オーナー:松井博樹
住 所:愛知県名古屋市中区栄3丁目9-17 ウィンゼルビル5F
オープン:18時00分から26時00分まで
定休日:日曜日
コンパーレのHPはこちら
東濃ひのきで木の温もりを知って欲しい! KoKagu Rooms.:村松 サチエさん
閑静な住宅街にひっそりと佇むおしゃれな一戸建てにお邪魔をすると、かわいらしい木の雑貨がたくさん。どこかほっこりと癒やされるような、木工雑貨の企画、デザイン、製作、販売を手がけるKoKagu Rooms.(コカグルームズ)さんにお話を伺ってきました。
KoKagu Rooms.(コカグルームズ)さんは木の温もりを感じられるかわいい雑貨の企画から販売までを一貫して手がけています。
そのKoKagu Rooms.(コカグルームズ)のクリエイター、村松サチエさんに今回お話を伺い、作品に込めた願いや現在の雑貨製作へと進んだルーツなどを聞いてきました。
流行は追いかけたくない 作品が刺さる人に届いて欲しい
──本日はよろしくお願いします。かわいい木工雑貨がたくさんありますね。
よろしくお願いします。そうですね。小物の木工雑貨を作っているので「小さな家具」という意味を込めてKoKagu(コカグ)の部屋、KoKagu Rooms.(コカグルームズ)っていう名前になっています。
──木を使った雑貨との出会いを教えてください。
はい。元々美術系の専門学校を卒業して、すぐに就職したのが会社で今と同じことをしていました。だからKoKagu Rooms.(コカグルームズ)を始める前から「モノを作る」ノウハウはそちらで学びました。
木工雑貨の製作は自分ひとりでも完結できますから、自分の中で区切りを付けて独立。それからKoKagu Rooms.を作って色々な木の作品を作っています。
──作品を作る上で、気をつけていることやこだわりはありますか?
一番のこだわりというか、わたしの考えなんですが「流行モノ」に流されたくないんです。流行モノは作ったときは売れるのかもしれないけど、ブームが去っていくと同時に飽きられてしまうじゃないですか。
流行じゃなくて、わたしが作った作品が刺さる人に届いてくれた方が嬉しいな、と感じています。時代に全く乗れなくなって「売れなかったらどうしよう」って不安はありますけどね・・・(笑)
作れなくなったときは何もしない!?
──モノづくりという観点で見ると元々何かを作るのが好きだったんですか?
高校では美術部だったんです。そこで「わたし絵を描くの好きかも。」って思ったのが最初かなぁ。小さいときから何かを作り続けていた、とかそういうことはなかったです。
──今は毎日作品を作られているんですが、同じものをたくさん作っているんですか?
KoKagu Rooms.(コカグルームズ)では再販もしますが、基本的には新しいものを作っていくケースが多いです。だからアイデアが出てこないと作れなくなっちゃいますね。
ただ新しいものを作り続けるのもなかなか大変で、ネタ切れを起こすこともあるんですよ。そうなっちゃうと本当に何もしないです。他の人の作品も見ませんし、雑貨屋にもほぼ行きません。アイデアが浮かんでくるまで閉店状態です。
逆に「これが作りたい!」って思ったらそればっかり作ってるかも。今はマヌルネコにハマってます。・・・マヌルネコ、実はあんまり売れていませんが(笑)
自分が好きだな、これ欲しいな、と思ったものしか作りたくない
──こういったクリエイターさんは、売上を重視される方と、好きなものを作りたいと考える方に分かれる傾向を感じますが、村松さんはいかがですか?
わたしは自分が「これは好きだな」「これ欲しいな」って思ったものしか作りません。だからアイデアが浮かんで、実際作ってみたら何かが違う・・・って感じたら販売はしません。
売上を考えるともっと効率よくやっていくこともできるとは思います。でも自分が好きなものじゃないと「世に出したくない」っていう思いがあるんですよね。
ビジネスとして割り切って製作をしてしまうと、売れるモノしか作れなくなってしまいます。そこは自分の「好き」っていう気持ちとか感覚を大切にしていきたいな、って思います。
溢れ出るアイデア、雑貨製作中に浮かんでくる!?
──作品を作るとき、インスピレーションやアイデアはどこからきているんですか?
最初に紙に書いて、木を切り出して、色を塗って、っていう作業工程で進んでいくんですが、作ってる途中で・・・上手く説明できないんですが。
「あっ、これいいな」「あんなのかわいいな」って全然違うアイデアを思いつくんですよ。
──作業中に他のアイデアが?
そうそう! そうなると作業中断。忘れないうちにアイデアを紙に書き起こして元の作業に戻ってます。
アイデアが出るときってそんな感じですね。
木って"一緒の時間を歩んでくれた風合い”が素敵
──木の素材、いいところってなんでしょうか?
木の作品を作っているのはやっぱり木が好きなのもありますね。プラスチックとか金属って汚れやサビは「劣化」と捉えられるケースが多いと思います。
でも木って日焼けとか汚れも、素材の風合いとして楽しめるところが良いところだと思っています。
消耗品ではないので、部屋に飾ってあっても少しずつ風合いが変わってきます。自分の生活を一緒に歩んでくれているような感覚になれるところが好きですね。
──また作風もかわいらしいものが多いですよね。そこに視線を移すと癒やされるような。
ふと目をやったとき、ほっこりできるような作品が作りたいです。そのためにはやっぱり素材って大切なんだな、と感じています。木って素敵な素材だと思いますよ。
地元の東濃ひのきをたくさんの人が手にとってくれたら
──作業場にはものすごくたくさんの木がありますが、材質にもこだわりが?
この木は地元の"東濃ひのき"を使っています。わたしの作品は多くが東濃ひのきですね。
同じものを作るなら地元のものを使っていきたいっていう思いがあったので、この東濃ひのきをなるべく使い続けていきたいと思っています。
──地産地消ですね。
そうですね。もっと地元の東濃ひのきをたくさんの人が手に取ってくれると嬉しいです。素材だけじゃなくて、他の作家さんと差別化を図るために、細かく切り出しを行ってます。
細かなデザインが表現できるがうちの強みかな。ここはちょっと負けられないポイントだと思っています(笑)
木のぬくもりを子どもたちに感じてもらえるように
──ゆくゆくはKoKagu Rooms.(コカグルームズ)をどのようにしたい、という想いはありますか?
最終的にはいつか自分のお店を構えたいなぁ、って思っています。それは売上だけじゃなくて、もっとたくさんの人に東濃ひのきの良さを知ってもらいたいからです。
色々と忙しい日々を送っている方がインテリアとして飾ってもらえたらいいなぁ。
生活スペースにちょっとだけ落ち着ける、ほっこりするかわいい木の雑貨が置いてあって「かわいいなー」ってなんとなく思ってくれたら嬉しいじゃないですか。
あと子どもたちにも木の良さが伝わって欲しいと思います。木って1つ1つ表情が違って、温かみがあります。押し付けるワケじゃないんですけど、木の素材が持っている温もりを感じてもらえたら嬉しいですね。
子どもが大人になったときに「小さい頃、かわいい雑貨が置いてあったなぁ」ってふっと思い出してくれたら作家として「やったぜ!」って感じです(笑)
湧き上がる感性をカタチに 「これいいじゃん」
インタビュー中にも村松さんは、突然押し黙ってこちらの問いに答えようとしないときがありました。
そして「・・・これいいじゃん」と作品を組み合わせ、紙を手にとって湧き上がるアイデアを書き留めていました。自分がかわいいと思った作品しか作らないその裏には、売上だけでは表せない独特の感性があるのでしょう。
地元の名産である東濃ひのきの良さ、そして木の良さを知ってもらうために日々作品を作り続けている村松さん。作品作りに向き合う姿勢は、まるで雑貨を手にしてくれた人の「嬉しい」「ほっこりする」という感情に寄り添っているかのようでした。
現在は岐阜県土岐市の"まちゆい"での委託販売とミンネ、クリーマ、自社サイトでの雑貨販売をしておられます。
KoKagu Rooms.(コカグルームズ)さんの木のぬくもりを感じられる、自宅の中に小さな癒やしの雑貨。あなたのリビングにもお一ついかが?
今回お邪魔したのは岐阜県土岐市のKoKagu Rooms.(コカグルームズ)さん。
KoKagu Rooms.(コカグルームズ)さんの販売サイトはこちら
KoKagu Rooms.さんのminneのページはこちら
KoKagu Rooms.さんのCreemaのページはこちら
KoKagu Rooms.さんが雑貨を販売している「まちゆい」の公式ページはこちら
女性でも入りやすい憩いの場所に:クライミングジムソレイユ オーナー 田邊明子(たなべさやこ)さん
愛知県長久手市の住宅街の一角、倉庫を改装したボルダリングの「クライミングジム ソレイユ」。
ジムの中はウォールが白く塗られ、カラフルなホールドと相まって、非常にカラフルでポップな雰囲気。クライミングジムはどうしても光が入りにくい構造になりがちで、「女性が入りにくい」という雰囲気を持つジムも少なくありません。
今回取材をお願いしたソレイユの扉を開けると、ソレイユの女性オーナーである「田邊明子(たなべさやこ)」さんが、とびきりの笑顔で出迎えてくれました。
こちらのクライミングジム ソレイユをスタッフと共に切り盛りしている彼女。自身の半生と、クライミングジムのオーナーとしての想いや今後のビジョンを聞いてみました。
”超”元気娘が大学で出会った登山
──本日はよろしくお願いします。さっそくですがクライミングジムを経営されていますが、ボルダリングとの出会いを教えていただけますか?
今日はよろしくお願いします。
インドアのボルダリングだけやってたわけではなくて、元々体力自慢で、スキーや登山が好きだったんです。とにかくめちゃめちゃ体力があって、運動大好きだったんです。土台がそんな感じだったので、大学へ入学して何かサークルに入ろう!ってサークルを探してたときでしたね。
そしたら偶然、山岳系で横文字のおしゃれな名前のサークルがあるじゃないですか。
「大学生活を楽しもう」なんて考えてましたから、ライトな感じで登山を楽しめたらなー、なんて甘い考えでそのサークルに入りました(笑)そこが登山・クライミングにハマったきっかけになったワケですが・・・
そこで実際サークルに入ってみたらもう厳しいのなんのって。私は理系でしたから、学校生活でサークルばっかりやってるわけにはいかなかったんです。なのに私の授業が終わるのを教室の前で先輩が待ち構えてて、そのまま部室に"強制連行"みたいな(笑)
──ええ!?いわゆる「ガチ系」の山岳サークルだったと・・・?
そうなんですよ~(汗)
合宿とかもものすごくキツくて、「絶対やめてやる!」なんて思ってました。でも辞めさせてもらえなくて・・・サークルに入った同級生は一人二人と辞めていき、最終的に女性メンバーで残ったのは私ともう一人だけでした。
まぁもちろんそこで登山の「いろは」やクライミングの知識や技術、諸々が身に付いたので自分のクライマーとしての基礎・・・になっているかもしれませんね。
でもやっぱりあの時代には戻りたくないなぁ(笑)
卒業、登山との別れ「二度と登山なんてやるもんか!」
※厳冬期に槍ヶ岳方面を撮影 マイナス25度の世界、そして滅多に見ることができないこの季節の美しい朝焼けはクライマーでしか見られない自然の奇跡
──なかなか厳しいところに身を置いてらっしゃったんですね(汗)
うんうん、だから大学を卒業するじゃないですか。
そうなったら「二度と登山なんてやるもんか!」って。あんなにキツい思いをしたのに社会人になってからもそれをやるなんて考えられなかったですね(笑)
──燃え尽き症候群ってやつでしょうかね・・・
かもしれませんねぇ。
サークルから解放されたときは、それはそれは嬉しかったですよ。
会社の先輩と行った穂高で待ち受けていたものは?
──そんな田邊さんですが、いつ登山・クライミングに復帰したんですか?
入社してすぐ、私が山岳系のサークルに所属していたことを知った先輩に「穂高に行きたいから連れていってくれ!」って頼まれたんですよ。
そこで当然ですけどちゃんと準備をして向かうじゃないですか。そしたら目の前に登れる岩があるでしょ?ついでに厳しい先輩の目からも解放されて。
クライミングをするための技術・体力。そして先輩から解放された自由(笑)。
全部の条件が揃ったら、もうね「やばーい、たのしーー!」ってなっちゃったんですよね(笑)
大学時代は厳しいことばっかりでしたけど、社会人になったら誰からも怒られないし!(笑)ただただ山って「楽しいだけ」の場所だったことに気づいちゃったんですよね。
それからですよ。毎週毎週、山に通い倒す日々が始まりました。
結局の所、自然大好き!アウトドア大好き!
──体力自慢でスキーや登山をしてたんですよね。体一つで遊べるクライミングがぴったりマッチしたっていう感じでしょうか?
結局の所、山とか自然が大好き。それにアウトドア大好き!っていうのが根幹としてあったはずなんです。それがサークルで「辛い」っていう部分が大きくなっちゃってただけで、大学を卒業したら「辛い」が消えて「自然大好き!」が復活しちゃったんでしょうね。
それに仕事も完全にインドアだったんで、体を動かしたくてウズウズしてたのかも(笑)
──ちなみに今はクライミングジムを経営されてますが、前職は?
あ、わたし実は元薬剤師だったんです(笑)
平日は仕事で室内で黙々と仕事、それで週末は山!っていう生活スタイルでした。
──薬剤師さんだったんですね(驚)
病で体力が続かない・・・ならば・・・!
※小川山(おがわやま)にて撮影 クライマーからはクライミングのメッカとして知られる場所
そうですね。薬剤師を続けながら登山・クライミングを楽しんでいたんですが、7年くらい前に40度の高熱が半年続いたんですよ。
そのときは原因不明だって言われてて、今思えば「よく生きてたな」って感じでしたよね。結局その高熱の原因は膠原病だったんですけど、それで腎臓の機能が低下してしまって、今も戻らないままなんです。
あれだけ自慢だった体力も全然続かないし、それで長時間になる登山・クライミングはいけなくなってしまったんですよね。
──元気だったのが突然そうなってしまうとツラいですよね。
元気なときって体が動くから、あんまり色々なこと考えなかったんですよ。でも動けないと色々考える時間もできる。
「インドアのクライミング(ボルダリング)なら自分のペースで楽しめるからジムをやろう」って思い立ったのがその頃ですね。
若い頃からなんとなく考えてはいましたけど、実感がないというか具体化してこなかったんです。でも病気で動けないから「あぁしよう、こうしよう」とボルダリング・クライミングジム開業に向けて動いたり考える時間がとれたんです。
あ、そうそう。体力的に厳しくなってしまったので、そのタイミングで薬剤師の仕事も辞めましたね。
──そうだったんですか。ソレイユには何かコンセプトというか、「こんな風にしたい」と考えていたことはありましたか?
ボルダリングのクライミングジムができ始めたのが、今から15年くらい前でしたかね。その当時は女性がものすごく入りづらかったんです。なんとなく"男がやるもの"っていう雰囲気があったというか。
それにチョークで結構汚れが目立つところも多かったですし、雰囲気も男性が黙々とトレーニングしてたりとか。
そんなところやっぱり女性って入りづらいじゃないですか。だから「女性でも入りやすいクライミングジムを作ろう!」っていうのは最初から決めてました。
──ウォールも白に統一されて、清掃も行き届いてますよね。それに光も差し込んで明るいですしね。
そうなんですよ。掃除はホントにめっちゃがんばってますよ(笑)ボルダリング、クライミングっていうものを女性にもっと知ってもらって、やってみて欲しいからそこは妥協したくないです。
初心者だって女性だって、どんどん気軽に来て!
──ボルダリングのいいところ、おすすめしたいところってなんでしょうか?
うーん、やっぱり短時間で気軽にこれるところでしょうか。会社帰りにふらっと立ち寄っていただいてもいいですし、主婦の方の隙間時間にも足を運んでいただけます。
ボルダリングジムって夕方からしかオープンしてないところも多いんですが、うちは月・水・金曜日は10時から開店しています。だから子供を送り出して、家のことを片付けて、買い物のついでに・・・っていう主婦の方も結構いますよ。
※営業時間などについてはページ下の「クライミングジム ソレイユ」のホームページをご覧ください。
──「興味はあるけど、難しそう」って人もいると思いますが、どうでしょうか?
ボルダリングって力がないと無理なんじゃないか、って心配する人も多いですよね。でも私、握力とか小学生並みですから非力な女性でも全然大丈夫です(笑)
──ええー!? スイスイ登ってるじゃないですか。
腕の力で無理にいこうとすると限界がありますけどね。足を使ってバランスをとりながら行くのがコツです。
だってもう49歳ですからね~。こんな年になっても力がなくても、さらに病気でそこまで元気に動けるわけじゃなくても(笑)コツみたいなのを掴んじゃえばいけますよ!
だから女性だって子どもだって、気軽に来てもらえたらいいな、って思います。力なんてなくても十分楽しめますから。しかも子どもだって、保育園くらいからやれちゃうんじゃないかなぁ?
親子パックの料金を格安で設定していますので、子どもさん連れの方もお待ちしてます。ご心配なら一度お電話で相談していただいても構いません。
ボルダリングはダイエットやボディメイクにも!
──ボルダリングを親子で楽しめてしまうのは嬉しいですね。ダイエット的な観点で見るとどうでしょう?
私も出産で体重が20キロ増えてしまったんですが・・・
出産や子育ての時期ってどうしても時間がなくて、クライミングから離れてたんです。そのときに20キロ増量・・・それでランニングとか食事制限とかすると体重は落ちていったんですけど、おなか周りのぜい肉が落ちなくて(笑)
そして子どもが少し手を離れたときに、自分がクライミングに復帰。そしたらおなか周りがスッキリして、元通りになったんですよ。今でもしっかり体形が維持できていますね。
ダイエットというよりはボディメイクですかね。体幹をしっかり使うので、継続すればおなか周りが引き締まってきます! 私の場合、病気のこともあって食事には気を遣っている方ですが、それでも苦しい極端な食事制限はやってません。ごく自然な食生活のままでスタイルの維持ができてます。
──スタイルが維持できるなんて素敵ですね。ボディメイクに興味津々な女性が押し寄せてくるかもしれませんね。
ダイエットって苦しいとか、キツい、とかそんなイメージがありますけどね。ボルダリングなら楽しみながら、さらに体も絞れると思います!
子どもの趣味としてもボルダリングはいいことたくさん♪
──そういえば親子パックの料金設定もあるようですが、子どもさんがボルダリングをすると「こんないいことあるぞ!」みたいなのはありますか?
うーん、やっぱり大人と子どもが混じりますからね。子供同士だけじゃなくて大人と一緒にいることによって、礼儀正しくなると思います。順番をちゃんと守るとか、登っている人がいるウォールに近寄らないとか、マナーが身に付いてくると思います。
あとは「登れた!」「できた!」っていう達成感を味わうことができるじゃないですか。ボルダリングって”課題”って言われる、決められたルートのようなものがあります。それを攻略できたときの達成感はなかなかのものです。
そしてできないときには「がんばって登ってやろう!」「どうしたら登れるようになるんだろう」って頑張れるし、考える力もついてくるんです。努力や目的達成のための考え方も身に付いてくるので、勉強や学校生活にもプラスに働くことがあると思ってます。
大人の趣味のコミュニティができるってすごいこと!
もちろん子供だけじゃなくて、大人だってボルダリングは楽しいんですよね。
会社や学校など、大人になると上下関係や利害関係が絡む人との付き合いがどうしても増えてくるじゃないですか。
でもボルダリングって趣味ですから、職業や年代、性別も全く関係なく純粋に「自分が楽しむ趣味」としてのコミュニティができあがってきます。
大人になってから、そんな風に楽しめるコミュニティってなかなかないと思うんですよね。それにみんなの立場がフラットですから、お互いに変に気を遣うこともなくて「居心地がいい」とお客さんも言ってくれています。
──「大人のしがらみ」ってやつから離れて純粋に趣味を楽しめるのはいいですね。
ですね。
常連さんでも初めての方でもみんなが趣味として楽しめる、そんな空間を提供できるようにこれからもがんばっていきたいですね。
初心者の方もルールや登り方からレクチャーさせていただきますので、クライミングジム ソレイユへぜひお越しください。
──田邊さん、本日はありがとうございました。最後にズバリ、ソレイユが目指す今後の目標を教えていただけますか?
「クライマー」の楽しめる場所であり、みんなの憩いの場となってくれること、そんな場所にソレイユを育てていけたらいいですね♪
本日はありがとうございました。
明るい入りやすいジム 華奢な見た目の凄腕クライマーがお出迎え
明るくて女性でも入りやすいように、をコンセプトにしているだけあって、初心者の女性でも安心して訪れることができる明るい雰囲気のボルダリングの「クライミングジム ソレイユ」。
クライミングをする女性、となるとなんだかマッチョなイメージを持ってしまいますが、見た目はむしろ華奢な見た目の普通の女性。
だけど登ってみると、とんでもなく傾斜がついたウォールをスイスイと登っていく凄腕クライマー。そして話し始めるとアットホームでフレンドリーな雰囲気。
このギャップがまた心地良くて、取材に訪れたはずなのにこちらもソレイユの空気や雰囲気、オーナーの人柄についつい惹き込まれてしまいました。
愛知県長久手市にあるボルダリングの「クライミングジム ソレイユ」。
インドアのアクティビティなので、天気や時間を心配せずに楽しめるボルダリング。ぜひ興味のある方はクライミングジム ソレイユの扉を叩いてみてはいかがでしょうか。
全くの初心者でも、ジャージなどの服装だけ用意をしていけば十分楽しむことができちゃいます。シューズレンタルもありますし、更衣室も完備していますよ。
今回取材に訪れたボルダリング・クライミングジムはこちら
名称:クライミングジム ソレイユ
代表:田邊 明子(タナベ サヤコ)
住所:愛知県長久手市熊田313番地
電話:0561-62-0400
※お店の前の道路が一方通行になっていますので、進入方向には十分にご注意ください。
クライミングジム ソレイユのホームページはこちら↓
クライミングジム ソレイユのインスタグラムはこちら↓
スポーツの現場で経験を積んだ頼れるトレーナー!:いちい接骨院・鍼灸院 安藤正貴さん
平成29年5月、岐阜県多治見に開業したいちい接骨院・鍼灸院。
開業した当初から「スポーツのトレーナーで有名らしい!」という噂を聞きつけ、今回アポを取り、取材に伺うことができました。
取材を進めるにつれて、自身は高校、大学、社会人と野球部に所属し、その野球部の縮小、そして師匠との出会い、27歳を過ぎてからの学校入学、資格取得という道を歩んできた苦労人。
「町の接骨院の先生」として医療補助行為の施術を日々行い、またスポーツの現場でトレーナーとして、選手のフィジカルやメンタル面の支えとなる仕事も続けています。
そんな安藤さんにこれまでの苦労話や、今後のビジョンなどお話を伺ってきました。
スポーツのトレーナーと接骨院の先生との関係?
──本日はよろしくお願いします。取材をお受けいただきありがとうございました。
いえ、とんでもないです。よろしくお願いします。
──元々はスポーツのトレーナーをしていたと伺ったんですが、接骨院を開業するのと何か関係があったんですか?
接骨院は資格取得後、師匠の元で働いていました。その師匠がトレーナーとして、プロスポーツ選手やチーム、アーティストにも帯同していたんです。そうするとトレーナーの依頼がバッティングすることもあって、「そろそろ行ってみるか?」と話をいただいたのがスタートでした。
──トレーナーとしてのキャリアより、接骨院の先生としてのキャリアの方が長いんですか?
そうです。いわゆる「柔道整復師」という資格を持って接骨院で仕事をしています。その師匠との出会いがなければ、柔道整復師にもなっていなかっただろうし、トレーナーとして色んなプロスポーツ選手とお仕事をさせてもらえる機会はなかったと思います。
自身の野球選手としての終わり、そして師匠との出会い
──どのようにして柔道整復師を目指すことになったんですか?
話すとものすごく長くなるんですが、私は高校と大学は野球部で就職しても野球を続けたい希望がありましたので、就職も野球ができるところを選んで入りました。
入社して5年目か6年目くらいに「野球部が合併、縮小する」っていう話が出てきたんです。そこでやっぱりいろいろ考えるわけです。
当時20代中盤でしたから、選手としてがんばれるのもせいぜいあと5年くらいかな?と。
──たしかに選手でいられる期間って意外と短いですからね。
そうなんですよね。それでも野球は続けたかったし、野球が続けられるように声もかけてもらったんです。しかし今後を考えると、このままでいいのかどうか悩みました。
それで悩んでても仕方ないから「どうせなら自分のやりたいことをやってみよう!」と思ったんです。
それから仕事を続けながらいくつかバイトをして、最終的に独立を目指せる業種を模索していました。
──その頃から意識は”独立”に向いていたわけですね。
そうなんです。しかし今の接骨院としてのキャリアも、結局野球が縁をつないでくれた感じでした。
というのも野球をしてましたから、友人から草野球の手伝いに呼ばれることも多かったんです。そこで参加したチームに今の”師匠”がいらっしゃいました。
その師匠が接骨院を開業しながら、トレーナーとしてプロスポーツ選手やチーム、アーティストに帯同している話を聞いて、詳しく聞きたいと思ったんです。
話を聞いてみたところ、私もスポーツが好きで、トレーナーという形で裏方でスポーツに携われる、というのはものすごく魅力的に写りました。
そこで専門学校に入って柔道整復師の資格取得を目指しながら、師匠に弟子入り。学校へ行って勉強して、接骨院も行って、とかなり多忙な毎日を送っていました。
当時は忙しくて、休みはありませんでした。
──専門学校を卒業するまでその生活は続いたんですか?
そうです。入学時の年齢が27歳でしたから「今さら学校に行くの?」と、周りからは言われました。それでも絶対に柔道整復師になってやる!っていうモチベーションでなんとか乗り切りました。
モチベーションも途中続かなくなったときもあって「何やってるんだろうなぁ」と考えてしまったときもありますけど、今となってはいい思い出です(汗)
トレーナーとして現場へ!そこで活きた経験とスポーツの現状
資格もようやく取得して、師匠の元で柔道整復師として働き始めたんですが、そこでトレーナーとして声がかかったんです。
──師匠からGoサインが出た、と?
そうです。「そろそろ行ってみてもいいんじゃないか?」って。実際今までスポーツの現場で選手としてやってきましたし、ある程度予想ができる部分が多いのはありがたかったです。
トレーナーとして現場に出させてもらうときは、大会期間中などが多いんです。そこで選手のコンディションとか、良いパフォーマンスができるかどうか見て欲しい、っていう期待を指導者側からはされるんです。
逆に選手側からは「痛いけど試合に出なきゃいけない」「ここで痛みを訴えてしまうと今後レギュラーの座が危うい、だから痛みを取って欲しい」っていう期待をされます。
──選手と指導者からは、求められる役割が違うんですね。
指導者、主に監督さんからは、故障者のケアや選手の状態の把握が求められます。
ですので、コンディションのいい選手をスタッフさんに「今ものすごく体の状態が良いので、いいパフォーマンスをしてくれると思います。」とお伝えすることはあります。
中には、できれば無理はしてほしくないなぁ、と感じる状態の良くない選手もいます。
それでも選手の希望、想いが一番です。「大事な時期ですし、試合に出たいのは分かるけど、言いにくければトレーナーの立場から監督には伝えることもできますよ。」とお伝えすることもあります。
それでも選手の「試合に出たい!」という意志が固ければ、施術や応急処置をして、試合に出られる状態に整えてあげなければいけないな、と感じています。
──「痛くても試合には出なきゃいけない」っていう雰囲気はありますよね。
そのあたりはものすごく難しい問題ですよね・・・痛くて休みたくても選手は言い出せなかったり、周囲の期待を背負っている選手も。痛くてもなんとか試合に出なきゃ、って言う選手も何人も見てきました。
チームの方針があって選手の意志もある。「こんなこと指導者には言えないなぁ・・・」なんてことも聞くことがありますから。
トレーナーとして「試合に出られる」ようにするのは最低条件
──試合に出たい!っていうのはスポーツをする選手としては当然だと思うんです。
「試合に出られる条件を整えてあげる」というのはトレーナーとしては最低条件だと思ってます。
試合には出られるよ、っていうのがまず最低ライン。
私は”試合に出て、さらに結果を出せるようなサポートをする”というのが本当の仕事だと考えてます。
──スポーツを真剣にしている方にとっては、常にどこかに痛みを抱えている人も珍しくないですからね。
その通りです。だからマッサージや矯正、テーピングなど痛みに対して考えられるアプローチは全てやっていきます。
──電気流して、マッサージして終わりっていうわけではないんですね。
先ほども申し上げたように「試合で結果を残してくれること」が一番の目的だと思ってます。痛みを訴えている選手だったり、来院してくれる学生さんがいたら、ベストのパフォーマンスができるまでコンディションを整えてあげなきゃいけないな、と感じています。
それで「結果を出せたよ!」とか「試合に出て勝ったよ!」っていう声を聞くとトレーナー冥利に尽きますね。
競技ができる、っていうのが目的じゃなくて、競技に出てさらに勝てる、活躍できるっていうところまで持っていきたい。理想かもしれませんが、私はそこを目指していきたいと思ってます。
スポーツだけじゃない、接骨院院長として
──今はトレーナーとしての立場もありますが、接骨院を開業されています。高齢の方の患者さんも多いと思いますが。
今はお陰様でスポーツ系の方が多く来院されますが、高齢者の方もやはり多いです。どうしても膝や肩、腰の痛みは高齢になると出やすくなってきますから。
──そういった方には、痛みに対してどんなアプローチをしていくんですか?
人間の体は生活スタイルや体の使い方、癖などによる関節の詰まりや歪みが出てしまっても、自然とバランスを取ろうとします。だから多少の関節の詰まり、歪みには気づかないことも。関節の詰まり、歪みを他の部分でバランスを取るということは、他の部分に負担がかかってしまいます。そうなるとまた別のところに痛みが出てしまいます。
私の師匠の柔道整復師としての考え方に”矯正を軸として、マッサージで筋肉の緩みを出して関節の詰まりを取り除き、骨格の位置を整えてあげる”。これを基本的な理念にしていました。同じくそれは私も受け継いていますから、関節の詰まりや歪んでしまった骨格、崩れてしまったバランスを整えてあげる、そして高齢の方の健康寿命を少しでも伸ばしてあげるお手伝いができたら、と考えています。
──高齢になって「動けない」じゃたしかに楽しくないですもんね。
いつまでも元気に友達と旅行に行ったり、孫と遊んだりもしたいですよね。やはり動けないより動けた方が、行動の選択肢が増えます。健康的に色々なことを楽しもうと思えば、体が元気でなければいけません。
──基本的には骨格を整えてあげる、と言う考え方でやってらっしゃるんですね?
そうなるんですが・・・
私自身「ちょっとなんとかしたいな」と考えていることもあります。
例えば接骨院にきていただいて痛みが取れました、楽になりました、と「痛みが緩和された状態」になります。
それは筋肉に緩みを出して、骨格を整えたことによる効果のはずなんです。でも少しするとまた元に戻ってしまうことがあります。なぜかというと、体を動かすのは筋肉ですから、その筋肉が若い頃と比べると当然落ちているからです。
本来関節が動いてはいけない方向に動いてしまい、負荷がかかりやすくなってしまうことにもつながります。なので矯正しても、筋肉の衰えによって再発を繰り返してしまうケースが見られます。
施術→リハビリ→トレーニングのトータルサポートを目指したい!
──高齢の方って、どこかに痛みを抱えているケースが多いように見受けられますね。
そうです。ただ現在の接骨院・鍼灸院でできるのが「マッサージ、骨格の矯正、電気、鍼灸などの施術」細かなものは他にもたくさんありますが、これらの施術が基本になります。
本来ならば、痛みが出ていたものを取り除いて、正常な動作ができるようにリハビリをする、さらに再発しないよう筋肉を付ける、というサポートをしたいと思っています。
──「痛み」の原因を取るだけじゃなく、痛みが出ないような体づくりをサポートするということですか?
そういうことです。現状、今の環境ではそこまでやれないのは分かっていますが、施術からリハビリ、トレーニングという流れで”痛みに悩んでみえる方”をトータルサポートをしていけたら、というビジョンは持っています。
もっとがんばらないといけませんね(笑)
──高齢者だけでなく、もちろんスポーツ障害に悩んでいる方にも同じ想いを?
もちろんです。私がここまでこれたのもスポーツのおかげですから。柔道整復師として高齢者も、スポーツで高みを目指したい選手にも、様々な痛みに悩んでみえる方の拠り所になれるようにがんばっていきたいと思っています。
──本日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。
トレーナーとして得た知識や経験、そして最新機器を取り入れた多角的な施術
今回岐阜県多治見市の「いちい接骨院・鍼灸院」の安藤正貴院長にお話を伺いました。
いちい接骨院・鍼灸院へ訪れたとき、広島東洋カープの菊池選手のユニフォーム、ソフトバンクホークスの松田選手のサインや写真など、プロ野球ゆかりの品がたくさん飾られていました。
「ありがたいことに、色々なところからトレーナーとして声をかけていただいています。そのときにいただいたユニフォームやバット、写真を院内に飾らせてもらっています。」と安藤院長。
現在もプロスポーツ選手や社会人チーム、学生スポーツの現場でもトレーナーとして継続的に活動をしています。
最高峰のスポーツの現場で今もなお、「縁の下の力持ち」として活躍し続け、その知識や経験を接骨院・鍼灸院に来院する方へフィードバックすることを忘れません。
トレーニングや痛みの出るメカニズムを熟知して、的確なアドバイスも行っていただけます。
また昨年には東海地区で初となる、特殊電気療法を行えるES-5000を導入。(現在は他院でも導入が進められているそうです)より細かく患者さんのニーズに対応できるようにこうした最新機器での施術も行っています。
トレーナーとして培った確かな技術と経験、そして最新機器も使いつつ多角的な施術を行っている「いちい接骨院・鍼灸院」。
スポーツ障害や、加齢による痛み、慢性的な体の不調などをお持ちの方は、ぜひ一度来院、相談なさってはいかがでしょうか。
また女性鍼灸師による、人気の美容鍼の施術も行っています。
今回取材へ伺った接骨院・鍼灸院はこちら
住所:〒507-0042 岐阜県多治見市前畑町4-88
院長:柔道整復師 安藤正貴
電話:(0572)26-8911
料金や診療案内などはホームページをご覧ください。
地場産業衰退からの脱却 ”陶育”のススメ:角山製陶所 伊藤真さん
かつて岐阜県土岐市は、陶器の町として栄えてきました。商売としてもかなり潤っていた、という話はよく耳にします。
しかし今や地場産業の衰退の波に飲まれ、製陶所が閉鎖に追い込まれているところも少なくありません。
そんな中、窮地から脱却を図るべく多方面にビジネスチャンスを模索し、後世に残そうと奔走する角山製陶所(かくやませいとうじょ)の伊藤真(いとう まこと)さんにお話しを伺ってきました。
深刻な後継者問題と、高年齢化
──本日はよろしくお願いします。地場産業の陶器生産、あまりいい噂を聞きませんが実際のところどうでしょうか?
陶器業界はお察しの通り、後継者は不足してますよ。うちも例外じゃありません。後継者だけじゃなくて、市場そのものが縮小してる感じはします。
ただ純粋に陶器が不要になったかというとそればっかりでもないかな?とも思うんです。陶器関係会社の高齢化も原因の1つなんじゃないかなぁ。
陶器商(陶器の仲買)や窯焼き(製陶所、陶器の生産工場)は家族経営が多いでしょ。それで子供が後を継がない、ってなるとどんどん年齢が上がってくる。
ずっと陶器を作って販売してるんで、昔ながらのお客さんがいます。それで高年齢化してくると、新しく顧客を開拓したり営業したりするエネルギーが沸かなくなってきます。だから馴染みのお客さんからの仕事しかしないよ、ってとこも出てきてるんです。
──ある程度の季節や時期に、勝手に注文が入ってくるんですね。
そういうことになりますね。でもそれって「待ちの姿勢」です。何かが原因になって取引先が倒れてしまうと、その分取引が減ってきます。そのまま新しく仕事を取ってこれないと、苦しくなってくるのは目に見えてますから。
僕の製陶所、というかこのあたりの地区では湯飲みや茶わんを主に作っています。型に入れて同じものを作っていくんですが昔ながらの仕事はそれ。
ただそれだけでは毎日減っていって「暇だなぁ」となってしまうのもマズいので、さすがにこちらからも積極的に動いて対策をしています。
「三本柱」でビジネス展開! インターネットの力を肌で感じた瞬間
──伊藤さん個人で、また角山製陶所で「こうしていこう」っていうビジョンはありますか?
角山製陶所として「三本柱」でがんばっていこうと思っています。というかすでにスタートはしてるんですが、その三本柱っていうのは・・・
1つ目は昔からある仕事で、型を使って生産していく製陶所本来の仕事です。もちろん昔からの付き合いもあって、定期的に注文が入りますからこれは軸としてやっていくことになります。
昔は在庫として持ってくれていたのが、今はほとんど在庫を持たなくなってきたところが多い。だから納期がけっこうギリギリになることもあるんで、仕事に追われていることも多いですね。
2つ目は「手作り」。やっぱり型を使って大量生産、同じものをたくさん作っていると希少価値、付加価値ってものはつかない。なので自分で作りたいものをオンリーワンで作っていく。
いわゆる陶芸作家の仕事になります。
ただこちらは最近色々忙しくなってきてしまったのもあって、ちょっと停滞してるかなぁ・・・気持ちはあってもなかなか進まないという感じです。でも「自分が良い!」と感じたものを手作りで作って発信していきたい、そうすることで付加価値も高まる、と考えています。
なのでこれは僕がもうちょっとがんばらないとね。
最後3つ目は「陶芸教室」。この陶芸教室も角山製陶所のホームページで募集して、ずいぶん前からやってはいたんです。
けれどそんなにお客さんが入るイメージはなくて、ポツリポツリって感じでした。それがアクティビティの予約サイトに登録をしたんです。
それが2年くらい前だったかな。
そこに登録してからは陶芸教室のビューもかなり伸びて、体験の申し込みが増えていますね。「土岐市に旅行に行こう」って思う人がそういうサイトを使って、周辺のアクティビティを探して、うちを選んでくれてます。
最初インターネットはあまり信用してなかったというか(笑)でも明らかに広く認知されるようになってきたので「インターネットすごいなー」って関心しました。
「製陶業」「手作り」「陶芸教室」この3つを柱にして今はけっこう忙しくさせてもらってます。
陶芸教室で小さな頃から陶器に触れてもらいたい
──陶芸教室ではどんなお客さんが多いですか?
もちろん色んな方がいて、外国人の方もちらほら見ますね。あとこの時期(取材日は夏休み明けの9月中旬)は、夏休みの作品作りのためにきてくれる子供さんも結構いるんですよ。
そんな子供さんたちにも可能性を感じています。っていうのは、小さな頃から陶器に触れてもらうと記憶に残りますから。そして大きくなったときに友達を連れてきてくれたり、結婚して子供を連れてきてくれたり、芋づる式じゃないですけど。
陶器で遊ぶ、いわゆる”陶育”の連鎖になればいいな、と思ってます。
この連鎖がつながってくれると、角山製陶所だけじゃなくて土岐市の産業・観光にもいい影響を与えてくれると思ってます。
──種まきの時期ではないですが長期的な視点で見れば・・・ということですね。
はい、ただ僕も現役で仕事をがんばれるのもあと10年くらいと感じてます。いま52歳ですからね。
あんまり長期的に見ても僕個人としてはあまり関係がないのかもしれません。
ただ「角山製陶所」という名前をつなぎたい気持ちは持ってるんですよ。
子どもはいますが、継ぐかどうかはわからない・・・というかウチの子は継がないんじゃないかなぁ(笑)
──後継者不足は伊藤さんも同じなんですね。
そうですねぇ。正直「なんとかしなきゃ」とは思ってますよ。
なので陶器が好きな若い人に、まずは働いてもらいたい、と考えているんです。
ものすごく給料がいい働き口ではないんですが、例えば空き時間には自由に作品を作ってもらってもかまわないし、場所も自由に使ってくれていい。だからモノ作りをしたい、陶芸作品を作りたい!っていう若い人が来てくれれば、働きながら作品を作ることができますから。
最終的には次の世代に「角山製陶所」という看板だけ残してくれればいいかな。
陶芸体験で活気づいてきた、まだやれることはある
そうは言っても「陶芸体験」で活気づいてきた感覚はあります。周りの方からも「忙しくしてるねー」なんて声をかけられることもある。
忙しく見えるのは、三本柱のそれぞれの仕事も含めて色々動いているからでしょうね。動かずに昔からの仕事だけやっていれば、そうは見られません。
どこにチャンスが転がっているか分からないでしょ。あと10年、もうそんなに元気いっぱいに働ける時間は残されていないかもしれないけれど、まだまだやれることはありますよ。
微力だろうけど陶芸作家としても、陶芸の教室も、やれるうちは続けていって後世に「陶器」っていうモノや技術を残していきたいと思っています。
あ、もちろんウチの看板もね(笑)
陶器の魅力を陶芸教室と作品を通じて知ってもらいたい
伊藤さんにインタビューを行っていると、ガツガツと「次へ!次へ!」という若手のようながむしゃらさは感じられませんでした。むしろ飄々とした風貌そのままに、「今やれることをやる」という姿勢。
ただ衰退していくのを指をくわえて見ていることを「良し」とせず、いかに次の世代へつなぐことができるのか陶器の可能性を探しているように感じました。
もう無理、これ以上できない、と限界を決めてしまうのは自分自身ですが、可能性を見出すのもまた自分自身。陶器という商品に、体験というアクティビティも取り入れて、隠居するいつかその日まで走り続けて欲しいと願っています。
そんな陶器に一番ボクらが触れることができるのが「陶芸体験教室」でしょう。都心部のワーキングスペースのようなキレイに整えられた場所ではなく、昔から陶器を作り続けてきた現場の雰囲気をそのまま味わえるロケーションが大きな魅力。
時がゆったりと流れる空間、澄んだ空気のなか無心でろくろを回す、絵付けをするのもまた一興です。軽妙な語り口で陶作もトークも楽しませてくれる「ヒゲの師匠」の陶芸体験。ぜひ皆さんも訪れてみては?
角山製陶所さんでは
○電動ろくろを使った「陶芸体験」
○陶器に自分で絵を描く「絵付け体験」
を楽しむことができます。
今回取材に訪れたのは
名前:角山製陶所(かくやませいとうじょ)
代表:伊藤 真(いとう まこと)
電話:0572-55-2886
○電動ろくろ体験は¥2,500、絵付け体験は湯飲みが¥500、お皿・お茶碗が¥600(電話での予約、もしくは検索エンジンで「角山製陶所 土岐市 陶芸体験」で検索!)
いつも食べるものだからこそおいしいものを届けたい:曽木のベーカリーKattan 保科さん
付近にはコンビニやお店などがほとんど無い田舎町。ここに2016年パン屋として営業を始めた”曽木のベーカリー Kattan(カッタン)”。
店内の天井は高く、ダウンライトが優しく包み込むような空間。おしゃれ、それでいて広々と落ち着ける場所全体に、パンのいい匂いが立ち込めています。
こだわりのパンを作り続け、そのおいしさは地元の方だけでなく、遠方からもお客さんが足を運ぶほどの評判。
一度食べたらまた食べたくなる、そんなパンを作る曽木のベーカリーKattanに取材へ行き、お話を伺ってきました。
パンが大好き!?お店の名前のルーツは・・・
──本日はよろしくお願いします。順番にお話を伺っていきたいんですが、なぜパン屋をやろうと思ったんですか?元々やりたかった?
よろしくお願いします。
そうですね、元々夫婦がパン会社に勤めて出会ったのがきっかけだったんです。ですから最初からいつかパン屋を持ちたい、と思っていましたね。
──お店は「Kattan」(カッタン)という名前ですが、名前のルーツはありますか?
お店の名前は3歳になる長女の名前が元になっています。
赤ちゃんに対して「○○ちゃん」って呼ぶじゃないですか。それが少しずつ崩れていって”かったん”になりました。なので長女の愛称そのままの名前です。
それに長女の名前もどことなくパンを連想させる漢字を当て込んでいます(笑)
いつも食べるものだからこそおいしいものを
──お店イチオシのパンとかありますか?またこだわりもあれば教えてください。
やっぱり食パンですかね。
その食パンの名前も「Kattan」。お店の名前をつけています。ですから思い入れは当然ありますし、こだわりもたくさん詰まっています。
──(手に取らせてもらうと崩れそうなほど柔らかい感触)ものすごく柔らかいですね。
そうなんです。こだわりのポイントはうちの食パンは発酵ダネを作ってから3日寝かせています。こうすると食感がしっとりして、キメの細かいパンが出来上がります。
それと「角パン」と呼ばれるもので、焼き上げるときに蓋をして焼いてます。蓋をしない焼き方もあるんですが、もちもちの食感を出すためにこちらの焼き方にしているんです。
食パンっていつも食べるものじゃないですか。ですから手間や時間がかかってもおいしいものをお届けしたいと思っています。
パン作りはご主人がメイン、おいしいものを作ろうとする姿勢
──パン屋はご夫婦でやってらっしゃるんですか?
元々夫婦だけだったんですが、今は従業員も増えています。ただ私は今0歳の子どももいますのでちょっとお休みしているような状況です(笑)
──ちなみにお休みの日とかは何をしてらっしゃいます?
うーん、子ども中心の生活になってしまうのは仕方ないんですが、主人はいつもパンのこと考えてるみたいですね。
家族から見ても主人の「パンを極めたい」っていう姿勢とか考え方、そういうエネルギーってすごいな、って見てて思います。
人口1,000人に満たない町での開店に不安も
※Kattanがお店を構える岐阜県の土岐市曽木町。土岐市は人口6万人程度の市ですが、曽木町に限定すれば人口1,000人にも満たない小さな小さな町。
──正直なところものすごく場所としては田舎です。お店を構えることに不安はありませんでしたか?
こちらにお店を出すことになったのも、本当にご縁があって、としか・・・
主人が名古屋、私が大阪だったんですが、主人のお父さんが曽木町に畑を持っていて、それが縁になってこの場所を知ったんです。
生活する上ではどうしても不便なのはわかっていました。でもそれ以上に子どもの数が少なくて教育面でどうだろう?っていう不安も大きかったですよね。
見つけた場所が国道沿いっていうのが唯一救いだったというか(笑)それでも子どものこと、お店の採算、色々なことに不安はありました。
でも主人やお義父さんが結構ノリノリだったんで、「ここでお店をやることになるんだろうな」って感じました。結局その通りになったんですけど(笑)
土地柄、自然が豊かで人間関係もものすごく密な場所だと思います。これは都会に暮らしていてはわからなかった、ものすごく良い部分かなと思っています。
元々田舎暮らしがしたいと思っていたわけではなかったんですが「住めば都」っていうことで。
豊かな自然と空気が楽しめるテラス席が気持ちいい!
※テラス席もハロウィン仕様に。山と田んぼに囲まれたロケーションで風が気持ちいい
──お店の作りもこだわって作られたんですか?
ちょうど知り合いにデザイナーさんがいたので、相談しながら進めていった感じでした。
この辺りはやっぱり自然に囲まれていますから、外の景色を眺めながらパンを食べて、コーヒーを楽しめるテラス席は人気ですね。
「このテラス、ものすごく気持ちいいね~!」って言われるとやっぱりこっちも嬉しくなっちゃいますよね。
──お客さんはやっぱり地元の方が多いんですか?
いえ、地元の方ばっかりというわけじゃないですね。時期にもよりますが、ツーリングのお客さんもけっこう多いですね。ツーリングの方の待ち合わせにうちの駐車場が使われたりもしてますよ。
それでテラス席で休憩していってくれたりもしますね。あとは車のナンバーを見るとちょっと遠方の方も足を運んでくださるお客さんもいらっしゃいます。
地元の食材、季節の野菜もパンに
──自然が豊かな土地なので、都会の喧騒から離れて・・・という方も多そうですね。
そうですね。自然と触れ合えるところって都会ではそう多くはありませんから。
自然が豊かなので食材も地元のものを使ったものがありますし、畑で採れた季節の野菜をパンに使ったりもしていますよ。
──どんなパンですか?
地元の食材で言えば「瑞浪ボーノポーク」っていう、お隣の市の豚肉です。このボーノポークを使ったパンは通年販売していますよ。
あと季節の野菜を使ったパンは、そのとき採れた野菜を使うので時期が変わるごとに変わっていきます。パンで季節も感じていただけたらいいかな、と思います。
──(取材は午後3時)今お店に並んでいるパンがほとんどないんですが、いつも売り切れてしまうんですか?
そうなんですよね。どんどん売れていってしまいますので。
一応パンが焼き上がるタイミングもあって、柔らかい定番のパンなんかは午前中に焼き上がるように調整しています。食パンも午前中に焼き上がりますね。
お昼の12時頃にはフランスパンやピザ系のものが焼き上がってきます。なのでお昼の12時頃に足を運んでいただくと、焼き立てのパンがずらっと並びますので見ててすごく楽しいですよ。
※お昼の12時頃が狙い目です!
──予約とかもしているんですか?
予約も1つからOKですよ。土日なんかだとやっぱり売り切れてしまいますからね。せっかく足を運んでもらっても商品がないと申し訳ない気持ちになります。
予約していただければ取り置きしますので、心配な場合はぜひお電話ください。
──本日はありがとうございました。
こちらこそ、ありがとうございました。皆様のご来店、心からお待ちしております。
もちもちのこだわり食パン”Kattan”何もつけずにそのまま
取材終わりにオススメの”Kattan”を購入。手に持つと崩れそうなほどの柔らかさ。一口頬張るとモチッとした食感にパンの甘みが全体に広がってきます。
これは何もつけずにそのまま食べた方がおいしいね。と家族絶賛。
自然の恵みと、おいしいパンを作りたいと願うご主人が作り出す食パン。この味が忘れられずまたリピートに訪れるKattanの常連さんの気持ちが一瞬で理解できた気がします。
他のパンも買ってくれば良かったなぁ・・・
曽木のベーカリー「Kattan」カッタン
〒509-5402 岐阜県土岐市曽木町1704-7
Tel 0572-52-2636/Open 9:00〜17:00
● 定休日:木曜日&第1第3金曜日
● Pあり・イートインあり。
● 国道363号線沿い、曽木公園から瑞浪方面へ車で1分。
※ホームページから引用
「いつか地元でお店を」夢を叶えて走り続けるラーメン屋店主:麺屋 神 戸松大己さん
「いつかは自分のお店を・・・」
そう願っている、またはそれを目指して働いている方は非常に多いのではないでしょうか。美容院やIT系、物販など様々な業種がある中で”激戦区”の様相を呈している飲食業界。次々と新店がオープンしては消えていく、そんな厳しい世界であることも耳にします。
そんな中、高校卒業以来ずっと飲食関係で働き続け、念願だった地元でラーメン屋を開業した麺屋-神-(シン)の戸松大己(トマツダイキ)さんにお話を伺ってきました。
岐阜県の土岐市下石(オロシ)町という立地。通りに面しておらず、少し奥まったところにあるお店。小綺麗な外観の建物は「隠れ家」のような雰囲気を持つ建物のドアを叩きます。
飲食一筋、物静かなラーメン職人
──はじめまして、本日はよろしくお願いします。さっそくですが麺屋-神-のラーメンの特徴やおすすめを教えていただけますか?
戸松さん(以下敬称略):よろしくお願いします。うちのスープの特徴は和風だしですね。魚介と鶏ガラ、とんこつをブレンドしていますので「Wスープ」ってやつです。
麺はいくつかメニューがあるので、それぞれスープに合わせた太さの麺を使い分けてます。ラーメンによって最適なものってやっぱりちょっとずつ変わってくると思いますからね。
○しお、醤油ラーメンは細麺
○とんこつは中細
○つけ麺は太麺
になっています。
──オープンは昨年でしたよね?人気があるのは何ラーメンですか?
戸松:オープンは2017年4月27日にオープンしています。まだ1年半経ってません。圧倒的に塩ラーメンが人気なんですよね。
──塩ラーメンをお店で推してる感じですか?
戸松:いや、実はなぜ塩ラーメンがここまで人気があるのかちょっとわからなくて(笑)
もしかしたら塩ラーメンを食べてくれたお客さんからの口コミで広まったのかな?と。塩ラーメンが人気なのは非常にありがたいことですし、作る側からしても嬉しいんですが、個人的にはつけ麺を推してます(笑)(↑の画像が"つけ麺”)
──そうだったんですね(笑)たしかにボクも「塩ラーメンおいしいよ」って噂を聞いたことがありました。ちなみにラーメン屋を開業する前は何をされてたんですか?
戸松:高校を卒業してずっと10年くらい蕎麦屋で働いて、そこからラーメン屋で勤めてました。ずっと飲食業界にいますね。
もともと「地元でお店を持ちたい!」って思ってましたので、去年その夢が叶ったという感じですかね。
※店主オススメのつけ麺は、和風だしの効いた特濃とんこつスープ。太麺にこってり絡むスープと太い麺の相性は抜群。残ったスープに白飯をぶっこんで、スープを最後の一滴まで味わい尽くすのが筆者のイチオシ!
同じものを作り続けていくことも大切だけど「進化」しなきゃ
──お店の”こだわり”のポイントってありますか?
戸松:うーん・・・僕食べ歩きが趣味なんですよ。あそこの店おいしいよ!って聞くと行きたくなっちゃいます。ラーメンだけじゃなくて和食にしろイタリアンにしろなんでも大好きで。「おいしい!」に対する感性は大切にしたいと思ってます。
それでラーメン屋も、他の料理のシェフや板前さんも、やってることって一緒だと思うんですよね。
「素材をいかに使うか」ってところ。食材なんかは全然違うんですけど「おいしい」って思える素材の使い方や調理方法があって、料理という形になります。そのおいしい料理からインスピレーションをもらったりすることもあります。
そうすると「ちょっとうちのラーメンもこうしてみようかな」って思うことがあるんですよ。同じものを頑固一徹、作り続けるってものすごく難しいことですし、大切なことだと思うんです。でも趣味の食べ歩きからヒントをもらって、それが自分のラーメンがおいしくなるヒントに。
それで自分なりのアプローチで、少しずつおいしい方向に進化させていくのも大切だと思ってます。
──おいしいものを追求していく姿勢、ってことですかね。
戸松:言葉にするのは難しいですね(汗)けど自分の舌で「おいしい」と感じたものを信じて、正直にラーメンを作り続けていきたいと思ってます。
実際に開店当初に比べると、ラーメンの味もけっこう変わってきてると思いますよ。
「おいしかったよ」でまた明日もがんばれる!
──お店を続けていて嬉しいこと、やりがいを感じることは何でしょう?
戸松:やっぱりお客さんが「おいしい」って言ってくれることですよね。特に自分の店を構える前は、そのお店の決まった味があるんで、それって変えちゃいけないじゃないですか。
けれど今は自分の店だから、自分の味でラーメンを提供してます。それを「おいしかったよ!」って言ってもらえるのはまた格別ですよね。それを聞くとまた明日からもがんばろう、って思えます。
あと何かを変えよう、と思ってもすぐに変えられるところはやりがいというか自分のお店ならではのメリットかな?さっきの「味」のアレンジにしても、違和感や何か感じるものがあればすぐに変えることができますから。
そこでおいしいって評価をもらえたときはやっぱり嬉しいですね。
客足が遠のいてしまった過去も
──逆に今まで一番キツかったことはどんなことですか?
戸松:まだお店の借金が返せてないので、お客さんが減ってしまったときは本当に精神的に参っちゃいました。
開業してすぐって「1回行ってみよう」ってことでお客さんはきてくれるんですが、その時期を過ぎると一時的にお客さんは少なくなります。
覚悟はしてたんですが、それが想像以上にお客さんが減っちゃって。あのときは本当に「何かやらかしたのかな・・・」とかネガティブなことばっかり考えてしまいましたね。
今はずいぶん持ち直して心穏やかに生活ができるくらいになっています(笑)
──厳しい時期をどうやって乗り越えたんですか?
戸松:まぁ、お店開けるしかないですからね。そんなときも常連さんやリピーターの方に「また来ちゃったよ~」ってお店に顔を出してもらってましたからね。お客さんの言葉には本当に救われました。
それでなんとか持ち直して、今やお店の借金を返し切ることが仕事のモチベーションです(笑)気合が入るというか。
地元で長年愛されるお店に!
──今後の目標や展望はありますか?
戸松:お店も構えちゃいましたし、地元の出身なので僕は地元で長年愛されるお店に育てていきたいなと思っています。それには地域の人とのつながりも大切ですし、今自分にやれることをコツコツと積み上げていくしかないのかな?と感じてますよ。
・・・いつかは支店も(笑)ま、それはご縁なので今後どうなるかわかりませんけどね。まずは1日1日しっかり向き合って、自分のやれることをやっていきます。
飲食業界は生き残りが厳しいのは事実なんですが、信じてやっていくしかありませんからね。
実直にラーメンと向き合う姿に職人魂を見た
ラーメンに対して、実直、真面目、こんな言葉が本当にしっくりくる戸松さん。地元で自分の店を出す、という夢を叶えつつも、そこにあぐらをかくことなく日々進歩を怠らない姿勢。そこにラーメン屋の店主としての「職人魂」を見た気がします。
お店人気の塩ラーメンも捨てがたいですし、また戸松さんイチオシのつけ麺もぜひ♪SNSなどはやっていないようなので実際に足を運んでみてください。
白を基調とした店内で、自然の木目が優しい雰囲気の店内。カウンター7席とテーブル3つが配置されており、小ざっぱりとした入りやすいお店です。
お 店:麺屋 神
定休日:火曜日
営業時間:昼11時30分~14時30分 夜17時30分~21時00分
電 話:0572-58-2929