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「いつか地元でお店を」夢を叶えて走り続けるラーメン屋店主:麺屋 神  戸松大己さん

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「いつかは自分のお店を・・・」

 

そう願っている、またはそれを目指して働いている方は非常に多いのではないでしょうか。美容院やIT系、物販など様々な業種がある中で”激戦区”の様相を呈している飲食業界。次々と新店がオープンしては消えていく、そんな厳しい世界であることも耳にします。

 

そんな中、高校卒業以来ずっと飲食関係で働き続け、念願だった地元でラーメン屋を開業した麺屋-神-(シン)の戸松大己(トマツダイキ)さんにお話を伺ってきました。

 

岐阜県土岐市下石(オロシ)町という立地。通りに面しておらず、少し奥まったところにあるお店。小綺麗な外観の建物は「隠れ家」のような雰囲気を持つ建物のドアを叩きます。

 

飲食一筋、物静かなラーメン職人

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──はじめまして、本日はよろしくお願いします。さっそくですが麺屋-神-のラーメンの特徴やおすすめを教えていただけますか?

 

戸松さん(以下敬称略):よろしくお願いします。うちのスープの特徴は和風だしですね。魚介と鶏ガラ、とんこつをブレンドしていますので「Wスープ」ってやつです。

 

麺はいくつかメニューがあるので、それぞれスープに合わせた太さの麺を使い分けてます。ラーメンによって最適なものってやっぱりちょっとずつ変わってくると思いますからね。

○しお、醤油ラーメンは細麺

○とんこつは中細

○つけ麺は太麺

になっています。

 

──オープンは昨年でしたよね?人気があるのは何ラーメンですか?

 

戸松:オープンは2017年4月27日にオープンしています。まだ1年半経ってません。圧倒的に塩ラーメンが人気なんですよね。

 

──塩ラーメンをお店で推してる感じですか?

 

戸松:いや、実はなぜ塩ラーメンがここまで人気があるのかちょっとわからなくて(笑)

もしかしたら塩ラーメンを食べてくれたお客さんからの口コミで広まったのかな?と。塩ラーメンが人気なのは非常にありがたいことですし、作る側からしても嬉しいんですが、個人的にはつけ麺を推してます(笑)(↑の画像が"つけ麺”)

 

──そうだったんですね(笑)たしかにボクも「塩ラーメンおいしいよ」って噂を聞いたことがありました。ちなみにラーメン屋を開業する前は何をされてたんですか?

 

戸松:高校を卒業してずっと10年くらい蕎麦屋で働いて、そこからラーメン屋で勤めてました。ずっと飲食業界にいますね。

もともと「地元でお店を持ちたい!」って思ってましたので、去年その夢が叶ったという感じですかね。

 

※店主オススメのつけ麺は、和風だしの効いた特濃とんこつスープ。太麺にこってり絡むスープと太い麺の相性は抜群。残ったスープに白飯をぶっこんで、スープを最後の一滴まで味わい尽くすのが筆者のイチオシ!

 

同じものを作り続けていくことも大切だけど「進化」しなきゃ

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──お店の”こだわり”のポイントってありますか?

 

戸松:うーん・・・僕食べ歩きが趣味なんですよ。あそこの店おいしいよ!って聞くと行きたくなっちゃいます。ラーメンだけじゃなくて和食にしろイタリアンにしろなんでも大好きで。「おいしい!」に対する感性は大切にしたいと思ってます。

 

それでラーメン屋も、他の料理のシェフや板前さんも、やってることって一緒だと思うんですよね。

 

「素材をいかに使うか」ってところ。食材なんかは全然違うんですけど「おいしい」って思える素材の使い方や調理方法があって、料理という形になります。そのおいしい料理からインスピレーションをもらったりすることもあります。

 

そうすると「ちょっとうちのラーメンもこうしてみようかな」って思うことがあるんですよ。同じものを頑固一徹、作り続けるってものすごく難しいことですし、大切なことだと思うんです。でも趣味の食べ歩きからヒントをもらって、それが自分のラーメンがおいしくなるヒントに。

 

それで自分なりのアプローチで、少しずつおいしい方向に進化させていくのも大切だと思ってます。

 

──おいしいものを追求していく姿勢、ってことですかね。

 

戸松:言葉にするのは難しいですね(汗)けど自分の舌で「おいしい」と感じたものを信じて、正直にラーメンを作り続けていきたいと思ってます。

実際に開店当初に比べると、ラーメンの味もけっこう変わってきてると思いますよ。

 

「おいしかったよ」でまた明日もがんばれる!

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──お店を続けていて嬉しいこと、やりがいを感じることは何でしょう?

 

戸松:やっぱりお客さんが「おいしい」って言ってくれることですよね。特に自分の店を構える前は、そのお店の決まった味があるんで、それって変えちゃいけないじゃないですか。

けれど今は自分の店だから、自分の味でラーメンを提供してます。それを「おいしかったよ!」って言ってもらえるのはまた格別ですよね。それを聞くとまた明日からもがんばろう、って思えます。

 

あと何かを変えよう、と思ってもすぐに変えられるところはやりがいというか自分のお店ならではのメリットかな?さっきの「味」のアレンジにしても、違和感や何か感じるものがあればすぐに変えることができますから。

 

そこでおいしいって評価をもらえたときはやっぱり嬉しいですね。

 

 客足が遠のいてしまった過去も

 

──逆に今まで一番キツかったことはどんなことですか?

 

戸松:まだお店の借金が返せてないので、お客さんが減ってしまったときは本当に精神的に参っちゃいました。

開業してすぐって「1回行ってみよう」ってことでお客さんはきてくれるんですが、その時期を過ぎると一時的にお客さんは少なくなります。

 

覚悟はしてたんですが、それが想像以上にお客さんが減っちゃって。あのときは本当に「何かやらかしたのかな・・・」とかネガティブなことばっかり考えてしまいましたね。

 

今はずいぶん持ち直して心穏やかに生活ができるくらいになっています(笑)

 

──厳しい時期をどうやって乗り越えたんですか?

 

戸松:まぁ、お店開けるしかないですからね。そんなときも常連さんやリピーターの方に「また来ちゃったよ~」ってお店に顔を出してもらってましたからね。お客さんの言葉には本当に救われました。

 

それでなんとか持ち直して、今やお店の借金を返し切ることが仕事のモチベーションです(笑)気合が入るというか。


地元で長年愛されるお店に!

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──今後の目標や展望はありますか?

 

戸松:お店も構えちゃいましたし、地元の出身なので僕は地元で長年愛されるお店に育てていきたいなと思っています。それには地域の人とのつながりも大切ですし、今自分にやれることをコツコツと積み上げていくしかないのかな?と感じてますよ。

 

・・・いつかは支店も(笑)ま、それはご縁なので今後どうなるかわかりませんけどね。まずは1日1日しっかり向き合って、自分のやれることをやっていきます。

 

飲食業界は生き残りが厳しいのは事実なんですが、信じてやっていくしかありませんからね。

 

実直にラーメンと向き合う姿に職人魂を見た

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ラーメンに対して、実直、真面目、こんな言葉が本当にしっくりくる戸松さん。地元で自分の店を出す、という夢を叶えつつも、そこにあぐらをかくことなく日々進歩を怠らない姿勢。そこにラーメン屋の店主としての「職人魂」を見た気がします。

 

お店人気の塩ラーメンも捨てがたいですし、また戸松さんイチオシのつけ麺もぜひ♪SNSなどはやっていないようなので実際に足を運んでみてください。

 

白を基調とした店内で、自然の木目が優しい雰囲気の店内。カウンター7席とテーブル3つが配置されており、小ざっぱりとした入りやすいお店です。

 

 

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お 店:麺屋 神

住 所:岐阜県土岐市下石町2063

定休日:火曜日

営業時間:昼11時30分~14時30分 夜17時30分~21時00分

電 話:0572-58-2929