貧困にあえぎ、性を切り売りする女性の真実
今日はいつものインタビュー記事と違い、SNSで個人的にお客さんを取って援助交際を行っている女性とコンタクトを取ることができました。
仕事に希望を持ち、未来に向けてがんばっている人たちがいる中で、なぜこのように援助交際で生計を立てていかなくてはならなくなったのか、時折話しづらそうな表情を見せながらもぽつりぽつりと話しを聞かせてくれました。
姿を表したのは化粧っ気のない素朴な女性だった
最初に待ち合わせをしたのは近所のコンビニエンスストアの駐車場。
どうやら車がないらしく、自宅アパート近くのこの場所を指定された。予定の時間より待つこと5分。ブルーのカットソーの女性と合流に成功。
そのときの彼女は化粧っ気が全くなくとても素朴。同年代の女性はメイクをして、しっかり着飾っているイメージが彼女にはそれがなく、非常に幼く映った。
見た目は中学生と言われても信じてしまいそうなくらいの幼い女性。本当にこんな女性が援助交際を?と疑ってしまったのが彼女への第一印象だった。
SNSで援助交際を行って生計を立てている
──まず自己紹介をお願いできますか?
ゆかり(仮名)です。21歳。
──家族とかはいらっしゃいますか?あと援助交際を始めた理由もできれば。
ゆかり:旦那と子ども、それと旦那の親(義母)と同居してます。子どもはまだ1歳前。援助交際をするようになったのは、旦那の浪費がひどくて、働いてはいますが家にお金は入れてもらっていません。私も子どもが小さいのでどこかに勤めるっていうことができないですし。だからこうしてSNSで援助交際の相手を募集してお金を稼いでいるんです。
旦那の親も高齢でほんの少しの年金暮らし、全くアテになりません。
ゆかり:簡単ですよ。SNSのトップに地域を書いておいて、口なら○○○円、本番なら○○○円、メッセージください。って書いておくだけです。あとはそういうことをする目的の人から連絡がきますのでお金もらって行為するだけ。
最初は嫌だったけど、子どもも預ける先がないしどこかで働くっていうのが多分我慢できないと思います。だからこんなことで稼ぐしかできません。
信用できるのは自分だけ、財布なんて置いておけない
──旦那や親は援助交際のことを知っているんですか?
ゆかり:直接言われてはいませんけど、なんとなく知ってるんじゃないかなぁ。出かける前までは入っていなかったお金が、帰ってきたら財布にお金があるんですから。
今まで何回も財布からお金を抜かれていて、完全に狙われてますよね。だから「出かけてどこかでお金をもらってきている」っていう事実は分かってるはずです。
何も言わないってことはお金を持ってくることが分かってるからなんでしょうかね。家の中だからって信用なんてできません。
──子どものことについて不安はありませんか?
ゆかり:もう不安しかありません。今でも食費ですらギリギリでやりくりしてます。年金とか税金なんて払う余裕もないですし。
子どものために貯金もしてあげたいんですが、通帳なんかを家に置いておけば無くなってしまうのは目に見えてます。本当にどうしたらいいのか・・・
稼いでも稼いでも借金返済と、家族に吸い取られていくお金
──怖い思いをしたこととかありませんか?
ゆかり:お客さんの奥さんから電話で怒鳴られたことなら。どうも向こうは旦那が”女”を外に作っていると思ってたみたいです。別に付き合ってるわけでもありませんし、こっちは別に失うものなんてない。
「またお金払ってくれれば口でシテあげるよ」って言ってやりました。
すごい勢いで怒られたけど、そんなの関係ないですから。
──女を作ってると思われるくらい連絡取ってたんですか?
ゆかり:その人はかなり常連さんでしたからね。お金がないこちらにとってもありがたい人でしたけど・・・
それでも単発の人もいれば、毎月1回2回のペースで会ってくれる人もいる感じです。けっこうお金ももらってる気がするんですけどね。私にも借金があるし、旦那や旦那の親にどんどん吸い取られていってしまいます。
旦那の浮気やギャンブル資金のためにお金が取られる
──旦那さんは家にお金は全く入れてくれないんですか?
ゼロですね。むしろ家にお金を入れないだけならマシです。前々から怪しいとは思っていたんですがやっぱり外で浮気をしていました。
それで彼女と浮気するのに必要なお金、パチンコに行くためのお金を勝手に持ち出してしまいます。こちらはお金がなくて美容院にも行けないので自分で髪を切っていますし、化粧品なんかも買えません。
「お前には魅力がかけらも感じられない」って言われましたよ。
──離婚を考えたことは?
もちろんありますよ。けど、家を出ても頼れるところがありませんから行くところがないんです。アパートを借りるにもお金が必要だし、離婚後に生活ができるくらいの資金なんてとても用意できません。
だから離婚は考えていても別れられないんです。こうなったらもう諦めて今の生活を続けて行くしかないんですが、半年くらい前からストレスで腕を切っちゃう(自傷行為)ようになってしまいました。
人並みの幸せっていつになったらくるんだろう
ゆかりさんにインタビューをしてく内に気付いたことがあった。間近で見ると髪は痛み、服は汚れやほころびが目立つ。さらにはスマホの画面は割れ、本当に生活に困窮している様子が伺える。
旦那も仕事があることから生活保護を受けることができず、頼れる場所や実家もないというゆかりさん。SNSを使い行きずりの男たちの性処理をすることで毎日の生活費を稼いでいた。
子どもがまだ手のかかる年齢であることも頭の痛いところだ。こうした援助交際の時間は高齢の旦那の親に任せてなんとか時間をやりくりしていた。遊ぶ金欲しさに援助交際、という話しは比較的よく聞く話しだが、日々の生活費のために仕方なく、こんな生活をしている女性もまだこの豊穣の国、日本で現実にある。
インタビューの最後に「今、幸せですか?」という質問にはこんな答えが返ってきた。
「待ってればいつか幸せはくる、って信じていますよ。でも、どれだけ待てばいいんだろうね。ホントに待ちくたびれちゃったよ。」
と少し困ったような笑いを浮かべて、絞り出すように答えてくれた。